50代サラリーマンの“メールアドレス消失”体験から考える、今だからこそ始めたいセキュリティ対策とリスク分散
「長年使っているメインアドレスだから大丈夫」「昔からのやり方が安心」と思っていませんか?
自分もいままで十年以上も、メールもパスワードも手帳で管理する昔ながらのスタイルを貫いてきました。
最近では「指紋認証や顔認証を登録してください」「生体認証の設定をお願いします」というメールが何度も届いていました。でも――どうしても自分の指紋や顔情報をネットに預けるような気がして、「プライバシーまでさらすのは怖いな」「本当に安全なのか?」と抵抗感があり、毎日来る宣伝メールと同じように見過ごしていました。
あのとき、もしも一歩踏み出して登録していたら、今こうして突然アドレスが使えなくなる事態でも、もっと柔軟に対応できたのかもしれません。
「自分には関係ない」「昔のやり方で十分」――そんな気持ちだった自分。
でも、その進化を見逃したまま、まさかこんな形で大切な情報が一瞬でシャットアウトされる日が来るとは、本当に思いもしませんでした。
「まさか」に直面――メールアドレスが突然使えなくなった日
そうして日々をやり過ごしていたある日、本当に唐突に、長年のメインメールが使えなくなったのです。
「エラー007」――不正アクセスやセキュリティ強化によるロックの通知。
全く身に覚えのないことで、今まで通りに利用していたはずなのに何故?
正直狐につままれたような感覚でした。
何とか回復をと本人確認を進めるも、昔作ったアカウントゆえ「質問の答え」や「登録内容」が思い出せない。携帯番号認証も設定していない。きっと当時も「今は要らない」と思ったのでしょう。
何回か復活を試みました。質問に正確に入力したはずでしたが本人認証できませんでした。
復活はもう無理なんだと理解し、メールアドレスの復活はあきらめることにしました。
「これまで何でも一人で解決してきた」「困った時は昔のメモを見ればいい」、そう思っていた一方で、
パスワードやIDがどの手帳にメモしてあったのかも記憶が曖昧。焦りと後悔が止まりませんでした。
一つのアドレス依存が招くリスク — “全部止まる”怖さ
しかも一つのメールアドレスをすべてのアカウントに使い続けていたことで、
・ネット銀行も
・ショッピングも
・仕事で蓄積した重要なやり取りも
一気に“自分の手の届かない場所”に閉じ込められてしまったのです。
昔の自分をリセットする勇気
これを機に意識を新しく切り替える必要があると痛感しました。
そこでは次の3つの行動を即座に始めました。
・【リスクの分散】新しいメールアドレスをいくつか用意(仕事用・私用・登録用の3本立て)
・【意識改革】今後はサービスごとに用途別のアドレスを使うことにし、いざという時にすべてが止まらないよう備える
・【一元管理】面倒に思っていたパスワードマネージャーも導入し、IDやパスワード、登録メールなどを一元管理
実際やってみると、紙や記憶に頼るよりもずっとラクで、何より「安心感」が圧倒的に違いました。
新しく作ったメールアドレスでアカウントの変更を始めました。
アカウント変更で直面した二段階認証の壁
すんなり変更できるところは助かりましたが、変更をする際に認証コードを連絡先(つまり使えなくなったメールアドレス)に送ってくる、二段階認証のサイトはどうすれば?と途方にくれてしまいました。
サポートがあるサイトはサポートとやり取りして丁寧に教えていただき変更できました
しかし、サポートが明記されていないものは、今も変更できていません。
手放した“昔の常識”の先に:新たにつかんだ教訓
教訓1:アカウントはいくつか用途別に作ったほうがリスクが分散できる
今回の出来事で、一つのアドレスに依存することのリスクを学びました
そのアドレスが使えなくなるだけで生活に仕様が出ることも
身に覚えがないことでもアドレスがロックされるなんて想像もしていませんでしたから。
教訓2:利用サービスのサポート確認の重要性
利用しているサイトのサポートの窓口の有無や連絡方法は確認していたほうがいいです。
いざという時には迷わずサポートへ相談することで、解決の道が広がることも知りました
今回は助けてもらいました。
教訓3:セキュリティ機能の進化を拒否しない(生体認証などの本人確認手段を検討する)
生態認証はまだ利用していません。
それは、生態認証を必要とされるサイトがなかったのと新しくメールアドレスを作るときも必要ではなかったから機会がなかったのです。
不正アクセスや不正アクセスの誤解は防げるかもしれないので機会があれば設定してみたいと思います。
本人認証が確実に行われるのであれば、今回の苦労はなくなるのかなと思います。
教訓4:個人情報の登録範囲を意識的に見直す
今回、新しいメールアドレスを作り、アカウントを変更しながら改めて、生活にネットが入り込んでいて個人情報をあちこちに登録していることを実感しました。
サイトの登録に携帯電話の番号を登録したらしばらくして詐欺電話が頻繁にかかってくるようになった知人がいます。
私はトラブルに巻き込まれたくないので、個人情報はできるだけ出さないつもりでいましたが、意外なほど結構登録していたんだなと認識させられました。
結局のところ個人情報をどこまで出すのかが課題になると感じました。個人情報を登録しなければネットを利用できませんから。
その対策として、今回アドレスを3つ作りましたが、連絡用やSMS専用の番号を用意することも有効になります。
未来の自分を救うために
つかんだ新しいベネフィット
今回の体験を通じて、「一箇所に依存せず、トラブルに強い情報の分散」こそが、日々の安心につながる最大のメリットだと実感しました。
つかんだ新しいベネフィットは以下の通りです。
一つのアドレスに依存せず「リスク分散」できる安心
管理の簡単さが“日々のストレス”を大幅に減らしてくれる
いざという時「昔の自分じゃできなかった対応」ができる自分に変わる
読者の皆さんも、どうか「まだ大丈夫」「いつものやり方で困らない」と思うそのタイミングで、“今の一歩”を踏み出してみてください。
未来の自分が救われます。
そして、「面倒くさい・怖いからやらなかった」過去の自分を、後悔で振り返ることがないように――
コメント