猫と暮らして30年。夫婦で学んだ“信頼”と“食のバランス”|野良猫が家族になるまで

🐾猫と暮らして30年。夫婦で学んだ“信頼”と“食のバランス”の話

― 野良猫が家族になるまで、そして命を支えるフード選び ―


目次

野良だった2匹の猫との出会い

うちには今、2匹の猫がいます。どちらも野良出身で性格はまったく違います。今では甘えてくれますが、最初はなかなか心を開いてくれませんでした。

1匹はまだ乳歯が残る子猫で家に来ました。寂しがり屋。いつも私の後をついてきて、座れば膝に乗ってくる。小さな体で安心を求めているのが伝わってきました。今は成猫ですが、その頃の姿は今も思い出します。

もう1匹は成猫で、外で暮らしていたようです。庭に来てはご飯を食べ、またどこかに行ってしまう生活を繰り返していました。ある日を境に庭に居つくようになり、試しに家に招いたらすんなり入ってきました。トイレもすぐ覚えてくれ、少しずつ家に慣れてくれました。


でも外で暮らしていた経験から警戒心は強く、押し入れが大好き。2年間ほど、ほとんど押し入れ暮らしでした。たまに扉を爪で引っ掻いて開けるので、扉はボロボロです。それでも、少しずつ私たちを信頼してくれるようになりました。やっともう1匹とじゃれ合う姿を見せてくれたとき、ほっとしました。


怒るより褒める。猫が教えてくれたこと

昔の私は、トイレの失敗などで怒ることもありました。でも猫には理由が分かりません。人間の都合で怒っているだけなんです。

それからは、してほしいことをしたら褒め、してほしくないことは静かに止める。猫たちの目が少し柔らかくなるのを感じました。褒められたり認められたりしたいのは猫も同じ。私にとっても大事な気づきでした。


最初の猫との別れと学び

猫を飼い始めて30年ほどになります。最初の猫は知人から譲り受けた12歳の子で、穏やかに寄り添うタイプでした。3年後、体調を崩し獣医から「腎臓の機能が半分以下です」と告げられ、衝撃を受けました。

腎臓は元に戻らないと言われ、できるのは負担の少ないフードと点滴だけ。妻は毎日、皮下点滴や給餌で懸命に命を支えてくれました。私はフードの情報を調べたり、購入したりサポート役。どちらかというと引きずられる立場ですが、それでも二人で支えました。

療養は5年続き、最後は妻の膝の上で静かに息を引き取りました。この経験から学んだのは、猫の食事は命に直結していること、そして限られた命をどう支えるかを考える覚悟です。


再びの病気。押し入れ出身の猫の危機

今月、押し入れ好きの猫がストルバイト結石になりました。トイレに行ってもなかなかおしっこが出ず、膀胱に結晶が見つかりました。膀胱洗浄で一時的に元気を取り戻しましたが、数日後には再発。夜、帰宅しても玄関に迎えはなく、ベッドで体を丸めて震えていました。

急いで夜間の病院へ。尿道が詰まり膀胱が限界に。カテーテルで尿を抜くと、150mlの赤い尿と2mmほどの結石が5個。この結石が尿道に詰まっていて尿が出せなかったようです。あと少し遅ければ腎臓にも影響が出るところでした。

妻は抱きしめながら落ち着かせ、私は手順やフードの調整でサポート。二人で支える重要さを改めて感じました。


フード選びとバランスの難しさ

今回の結石はストルバイト結石というそうです。ストルバイト結石は尿がアルカリ性に傾くとできやすく、療法食で酸性にすることで溶けるそうです。その説明を獣医から聞いて私たちは安心しました。でも酸性に偏ると、今度はシュウ酸カルシウム結石ができやすくなるそうです。フード管理は、猫の体の中での綱渡りです。

猫の命を守るフードが別のリスクを生むこともあります。だから私たちは今も、成分表を見比べ、猫に合う“ちょうどいいバランス”を探し続けています。妻は手際よく給餌を続け、私は情報やフード選びでサポート。二人三脚です。


私が今、思うこと

フードに正解はないんですよね。その猫に合った“ちょうどいいバランス”を探していくしかない。酸性でもアルカリ性でもなく、体調や生活環境に合わせて微調整する感じ。30年前、初めて腎臓病の猫と向き合ったときは右往左往で、何をしていいのかさっぱりでした。でも、今は少しずつ分かってきた気がします。

今日も猫たちはいつもの場所でご飯中。押し入れ出身の猫は窓辺で日向ぼっこ、もう1匹はキャットタワーの上で毛づくろいしています。そんな光景を見て、妻がそっと肩に手を置き、にっこり笑いながら言いました。「大丈夫、あんたも頑張ったでしょ」って。猫たちの小さな鳴き声がリビングに響く中で、その一言に疲れが少しほぐれるようでした。

食事の管理も、病気の不安も、命の揺らぎも、ぜんぶひっくるめて“猫と生きる”ってことなんだな、と思います。今日もフードを計りながら、心の中で小さくつぶやきます。
「この一口が、君の未来をつくる」って。

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